悲願…弁護士過疎地を年内に解消 公設102事務所、27で定着
(産経ニュース)

公設事務所の開設にともない、弁護士がゼロまたは1人しかいない過疎地域、いわゆる「ゼロワン地域」が年内にも解消される模様です。

広く国民が法律の専門家による相談を受けられるようになるのは望ましいことです。


昔から言われることですが、医者が体の病を看るのならば、弁護士は心の病を看るので、健全な社会を成り立たせるにはいずれも必要不可欠な存在です。



その昔、とある地方裁判所の支部にいた頃、その管轄区域内はそれこそゼロワン地域に近い状態で、数少ない弁護士さんは数多くの事件をかかえ、なかなか相談すら受けられない状態だと聞きました。



法律的な相談もままならず、当事者ご本人で裁判をしなければならないことも多くあったように思えます。


一般の方からすれば、裁判所へ行けば法律相談を受けられると思われるのでしょう。
毎日、来庁されるのですが、中立の立場である裁判所が法律相談を受ける訳にもいかず、こちらとしても狭間でジレンマを感じることもありました。



弁護士さんがこのような状況で、隣接法律専門職である司法書士や行政書士が裁判自体は本人がやらざるを得ないとしても、書面の代書や大きな声では言えませんが、事実上、法律相談にも応じて弁護士の役割を担っていたようです。



先日、とある弁護士会の冊子を読んでいたところ、以前、行政書士が主人公の漫画を原作としたテレビドラマが放映されていたけれども、本来、法律相談をしてならない行政書士がこれができるかのように描いているので、非弁活動を助長するものとしてテレビ局に抗議するといった記事がありました。



たしかに至極ごもっともなお話で、弁護士が担う職域を他の職種が冒してはならないと思いますが、そう目くじらを立てることなく、そのような地域もまだまだあるということを認識して、今後、弁護士の需要と供給のバランスについて検討してもらいたいですし、他の職種との棲み分けもうまくやっていってほしいと思います。